私たちが毎日当たり前のように使っている道路や下水道。
しかし、その地下では多くの重機オペレーターや作業員たちが、
精密で危険と隣り合わせの作業を行っています。
今回紹介するのは、都市部や住宅街の工事現場で活躍する、
小旋回型バックホウ「Komatsu PC75」を使用し、筆者自身が従事した
下水道工事の施工工程です。
PC75は、小回り性能と掘削能力を兼ね備えた中型パワーショベルであり、
狭い道路や住宅密集地でも高い作業性能を発揮します。
特にオフセットアームや小旋回機能は、
下水道工事のような狭い範囲で繊細な作業において大きな力を発揮します。
この記事では、始業点検から完成検査まで、現場の流れを実際の施工順序に
沿って詳しく解説します。
さらに、重機操作時の注意点、施工精度を高めるコツ、安全管理、
締固め作業の重要性など、実際の現場で役立つ知識も交えながら紹介していきます。
Table of Contents
Toggle始業点検
下水道工事で最も重要なのは、安全に作業を開始するための始業点検です。
PC75パワーショベルでは、エンジンオイル・冷却水・作動油・燃料残量の確認を行い、
さらに油漏れや履帯の緩み、シリンダー損傷などを点検します。
特に油圧ホースの損傷は重大事故につながるため、入念な確認が必要です。
また、ライト類・バックブザー・旋回警報など安全装置の動作確認も欠かせません。
冬場は暖機運転を十分に行い、油圧系統を安定させてから作業を開始します。
現場では、始業点検を怠ったことによる故障や事故が非常に多いため、
毎日の積み重ねが安全施工につながります。
重機オペレーターは「今日も無事故で終える」という意識を持ち、
作業前点検を徹底することが重要です。
PC75パワーショベルの特徴(オフセットアーム・小旋回)
Komatsu PC75は、都市型工事に適した小旋回型バックホウとして高い人気があります。
最大の特徴は、後方旋回半径が小さい「小旋回構造」と、
壁際施工に便利な「オフセットアーム」です。
小旋回機は、住宅地や交通量の多い道路工事で後部が車道にはみ出しにくく、
安全性が高まります。
また、オフセットアームを使用することで、障害物を避けながら
側溝やマンホール周辺を正確に掘削できます。
PC75は操作性にも優れており、レバー操作が滑らかで微操作がしやすく、
下水道工事の床付け作業など高精度施工に適しています。
さらに燃費性能も良く、長時間稼働でも経済性に優れています。
狭い現場でも高い施工能力を発揮できることから、多くの土木現場で採用されています。
PC75パワーショベルでアスファルト掘削積み込み
施工開始後、最初に行うのが道路舗装の撤去作業です。
PC75に装着したバケットを使い、カッターで切断したアスファルトを
慎重に掘削していきます。
この作業では、
既設のガス管・水道管・通信ケーブルなど地下埋設物への注意が必要です。
オペレーターはバケットを深く差し込み過ぎず、
表面を少しずつ剥がすように操作します。
掘削したアスファルト殻はダンプへ積み込み、処分場へ搬出されます。
積み込み時はダンプの荷台へ均等に積載し、偏荷重を避けることが重要です。
また、旋回動作の時は後方確認とブーム上部の障害物などへの注意や、
旋回速度を上げすぎると周囲への飛散事故につながるため、
ゆっくりと安定した操作が求められます。
アスファルト撤去は、その後の掘削精度にも影響するため、慎重な施工が重要です。
PC75で1段目残土掘削積み込み
舗装撤去後は、本格的な土砂掘削作業へ移行します。
PC75は7トンクラスながら掘削力が強く、粘土質土壌や砕石混じりの地盤でも
安定した作業が可能です。
まず1段目掘削では、土留め設置が可能な深さまで掘削を進めます。
この際、法面崩壊を防ぐため、掘削勾配や深さ管理が非常に重要になります。
オペレーターは周囲の地盤状態を確認しながら慎重に掘削を行い、
掘削土をダンプへ積み込みます。
作業中は履帯下の地盤沈下や重機転倒にも注意が必要です。
特に雨天後の現場では地盤が緩みやすいため、無理な旋回や片側荷重は
避けなければなりません。
安全確認を繰り返しながら施工を進めることが、事故防止につながります。
PC75で鋼製土留め板設置
下水道工事では深掘り作業となるため、土砂崩壊防止用の鋼製土留め板を設置します。
PC75ではワイヤーを使用して土留め板を吊り込み、掘削溝へ慎重に設置します。
この作業では、玉掛け作業資格者との連携が重要であり、
合図確認を徹底しながら施工を進めます。
土留め板が傾いたまま設置されると崩壊事故につながるため、
垂直を確認しながら設置する必要があります。
また、重機で押し込みを行う際は、鋼製土留め板を押し込む専用具を
装着して、押し込みます。
その時は過度な荷重をかけると土留め材が変形する恐れがあるので、
オペレータは熟練の職人技が必要になります。
PC75は微操作性能に優れているため、狭い溝内でも細かな位置調整が可能です。
土留め作業は現場全体の安全性を左右するため、慎重な施工が求められます。
PC75で掘削床付け仕上げ
床付け作業とは、下水道管を設置するために掘削底面を設計高さへ
正確に整える重要な工程です。
PC75ではバケットを水平に保ちながら、数センチ単位で土を削り取っていきます。
この作業ではオペレーターの経験が非常に重要であり、人力と併用でレベルで深さを
確認しながら進めていきます。
わずかな掘り過ぎでも施工不良につながります。
床付け精度が悪いと、下水管勾配に狂いが生じ、排水不良の原因になります。
そのため、レベル測量を行いながら慎重に施工します。
オフセットアーム機能を活用することで、壁際や狭い場所でも高精度な
仕上げが可能です。
床付けは見た目以上に高度な作業であり、熟練オペレーターの腕の
見せ所でもあります。
下水道管台設置(高さ調整)
床付け完了後は、下水道管を据え付けるための管台を設置します。
管台は下水管の高さ・勾配を決定する重要な基礎部分であり、
数ミリ単位の精度が求められます。
レベル測量機を使用して設計高さを確認しながら、管台木と薄板を使って
微調整を行います。
特に勾配不良は排水障害の原因となるため、慎重な施工が必要です。
管台設置では、人力による細かな調整と重機作業の連携が重要になります。
PC75で材料搬入を行いながら、作業員が高さ調整を実施します。
下水道工事では「見えない部分ほど丁寧に施工する」と
いう考え方が非常に大切です。
PC75で下水管吊り下げ付設
下水管据付では、PC75を使用して直径300ミリのヒューム管を
吊り下げながら掘削溝へ設置します。
この作業は非常に危険を伴うため、合図者との連携が必須です。
吊り荷の下へ絶対に人を入れないことが基本原則となります。
オペレーターは急操作を避け、ゆっくりと旋回・降下を行います。
特に強風時は管が振られやすく危険なため、作業中止判断も重要です。
PC75は油圧制御性能が高く、吊り荷作業でも安定した操作が可能です。
下水管は重量物であるため、吊りワイヤーの位置や設置位置のズレが
施工精度へ大きく影響します。
そのため、慎重な誘導と正確な操作が求められます。
人力で下水管挿入
吊り下げた下水管は、最後に人力で差し込み接続を行います。
接続部分にはゴムリングが装着されており、均等に圧力をかけながら
慎重に挿入します。
この作業では、管芯ズレが発生しないよう細心の注意が必要です。
無理な力で押し込むとゴムリングが損傷し、漏水の原因になります。
作業員同士で声を掛け合いながら、ジャッキやバールを使用して
既定の印まで慎重に挿入し接続していきます。
下水管施工は重機だけでなく、人力作業の丁寧さが品質を左右します。
レベルで下水管の高さと勾配の確認
下水道工事で最も重要なのが勾配管理です。
レベル測量機を使用し、下水管が設計通りの高さ・勾配になっているか確認します。
わずかな誤差でも排水能力へ大きな影響を与えるため、
数ミリ単位で管理されます。
勾配不良があると汚水が流れず、重大な不良工事となり詰まりや
悪臭の原因ともなります。
測量作業では、作業員同士の連携と確認作業が非常に重要です。
施工途中でも何度も測定を繰り返しながら、正確な施工を行います。
PC75と人力で浜砂埋め戻し
下水管設置後は、保護用の浜砂で埋め戻しを行います。
浜砂は管を傷つけにくく、均一に締固めしやすい特徴があります。
PC75で砂を投入し、人力で管周囲へ均等に敷き込みます。
特に管の下側へ隙間ができると沈下原因となるため、丁寧な施工が重要です。
重機で直接押し込むのではなく、人力で隙間へしっかり充填していきます。
埋戻し品質は完成後の道路沈下を防ぐ重要工程です。
PC75と人力で30cm厚で締固め作業
埋戻し後は30cmごとに転圧・締固めを行います。
一気に厚く埋め戻すと内部が締まり切らず、将来的な陥没原因になります。
ランマーやプレート転圧機を使用し、1層ごとに丁寧に締固めます。
PC75は材料投入を行い、人力で均し作業を実施します。
締固め不足は道路陥没事故へ直結するため、現場では特に厳しく
管理される工程です。
路盤砕石転圧敷き均し
埋戻し完了後は、道路復旧のため砕石路盤を施工します。
PC75には排土板が付いているので、PC75で砕石を均等に敷き均し、
バケットの平爪で鋤取りを行いローラーで転圧を行います。
路盤が不均一だと舗装後に沈下やひび割れが発生するため、
転圧回数や厚さ管理が重要です。
PC75は砕石積込みや均し作業に不可欠な重機です。
路盤施工は完成後の道路耐久性を左右する重要工程です。
舗装工事
最後に舗装工事を行い、道路を元の状態へ復旧します。
アスファルト合材を敷き均し、ロードローラーで転圧します。
舗装厚さ・温度管理・転圧タイミングが品質を左右します。
特に合材温度が低下すると密着不良が発生するため、
迅速な施工が必要です。
綺麗な舗装仕上げは現場技術力の証とも言えます。
完成検査
施工完了後は、県や市の土木課による最終完成検査を実施します。
下水管勾配・舗装仕上がり・沈下状況・安全設備などを確認します。
仕上り精度に問題がなければ工事完成となります。
完成検査では、表には見えない部分の施工品質が特に重要視されます。
正確な施工管理と丁寧な作業の積み重ねが、
高品質な下水道工事につながります。
まとめ
Komatsu PC75を使用した下水道工事は、単なる掘削作業ではなく、
高精度施工と安全管理が求められる高度な土木工事です。
特に、
・始業点検
・床付け精度
・勾配管理
・締固め作業
・安全確認
これら一つひとつの工程が、完成後の道路品質や下水道機能を支えています。
PC75は、小旋回性能・オフセットアーム・高い操作性を兼ね備えており、
都市型下水道工事に非常に適した重機です。
見えない地下で行われる下水道工事ですが、その裏側には多くの
技術者たちの経験・努力・安全意識が詰まっています。
私達の大切なライフラインを守ってくれているんですね!!
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